部局横断的な実行計画 ~学校施設を核としたまちづくり~

①横断的実行計画の必要性

これまでに策定された個別施設計画を見ると、建物の長寿命化だけで将来更新費用が財政制約ラインに収まる地方公共団体は殆どありません。多くの計画では、さらなる改善が必要な状況となっていますが、そのためには、学校規模の適正化や統廃合、他の公共施設との複合化・共用化、管理運営面の改善などといった施設の維持保全を超えた横断的な検討が必要となります。

 

②部局横断的な検討が必要

個別施設計画において、長寿命化したとしても,将来コストは,これまで学校施設にかけてきた費用の1.5倍から2倍ぐらいにかい離する市区町村が多くあり,「さらなる改善」が必要なことが,明らかになってきました。策定済みの個別施設計画の実行のみにとどまるのではなく,部局横断的な検討体制を構築し,「さらなる改善」の検討・実行を行うことにより,教育環境の向上と同時に将来コストの最適化を実現することが求められています。

③教育環境の向上とコストの最適化を目指して

中央教育審議会の答申「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して」(令和3年1月26日)において,部局横断的検討組織の必要性が示されています。また,財政制度等審議会(令和2年10月26日)の財政制度分科会では,将来的な人口動態も見据えた学校規模の適正化や他の公共施設との複合化が必要とした上で,「個別施設計画」における問題点として,多くの計画において,学校の統廃合等を盛り込んでいないこと,他の公共施設等との複合化等を検討していないことを指摘しています。

④部局横断的な実行計画の全体体系

適正規模・適正配置や他の公共施設との複合化・共用化の検討、管理運営の見直し等を部局横断的に検討・実施することにより、教育環境の向上とコストの最適化を図ることにつながりますが、これは、公共施設等総合管理計画の見直しにおいて求められている個別施設計画との整合性や効果の明確化とも連動していることから、公共施設等総合管理計画の見直しの実行版が、学校施設等の部局横断的な実行計画にあたると言えます。